太陽のパスタ、豆のスープ

ページ数：288ページ
ジャンル：長編小説
読了しやすさ：★★★

＜あらすじ＞
人生は自分の気持ち一つで変わるんだ！
突如婚約破棄を突きつけられた傷心の中の主人公は、叔母の勧めで“やりたいことリスト"を開始する。

自分の気持ちに正直に生きてみよう、著者からの見えないエールを感じる前向きな物語。

＜おすすめポイント＞
"誰かと過ごす時間は、人生のスープみたいなもの。たくさんの具材が混ざり合って、豊かな味わいが生まれる。"(本文より引用)

いつかどこかでチャプターズの選書に入れたいと温め続けていた作品、スープがテーマの今月にようやくお迎えできました。今月の選書作業で、一番最初に迷わず決まった作品です。

人生の岐路に立たされた主人公が、自分自身を見つめ直し心の再生を目指す物語は食事のシーンが多数登場します。料理のシーン、食べるシーン、どちらも印象的で、美味しいご飯の描写が好きな方には大変おすすめ。どのくらいおすすめかというと、スープを作るためにまず鍋探しから始めるほどのこだわりっぷりです笑。

"新しいことを始めるのは怖いけれど、何もしないのはもっと怖い。"（本文より引用）

はっと前をむかせてくれる言葉との出会いも満載。あれもこれもやりたいのに時間がない、お金がない...そんな満たされない気持ちで毎日を送っている気がしますが、「やりたいことリスト」をいざ書き出してみると、案外できないことって少ないんだなあと感じます。

主人公が新たな趣味や友情を通じて、自分のペースで前に進む姿を追いながら、一緒に「やりたいことリスト」、作っててもいいかもしれません。

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃