【東】202408

ページ数：300ページ
ジャンル：短編集
読了しやすさ：★★★★★

つらいとき、悲しいとき、アートがあるから浮かび上がる大切なもの。
現代美術作品をきっかけに韓国を目指す女性二人旅を始め、フィリピン、モンゴル、ミャンマーへ。
藝大卒の作家が照らし出す5編のショートストーリー集！

＜おすすめポイント＞
アジア各国を巡れた気分になれる本短編集は、韓国・ソウルの旅から始まります。

京都で偶然拾ったハングル語の手帳がきっかけで、持ち主のルーツを辿る冒険に出る主人公たち。わくわく楽しいソウルの旅になると思いきや、アートと迷惑の線引きについて考えさせられたり、日韓の絶妙な関係性に触れたり。あれ？ちょっと想像と違う。そして読後は思わず調べました、ソフィ・カル。

他4作品も、一見すると高尚な“アート“というテーマが共通でありつつも、まだまだ発展途上の土臭いアジアのストリート感が満載。お利口にまとまらない点が、魅力かつ大変新鮮に感じられました。それぞれの国が抱える課題や社会情勢も物語を通してさらっと学べるので、なんだか一石二鳥な気分です。

新進気鋭の女性作家、チャプターズでいつか紹介したいとあれこれ読み進めていた中、今回作品がバチっとハマって遂にご紹介です。
気分は美大生バックパッカー！この夏、5カ国一気にアジアワールドツアーに出かけてみませんか？

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃