【東】202302

ページ数：352ページ
ジャンル：長編ミステリー
読了しやすさ：★★
夜が似合う度：★★★★★

読者が小説に求めるものはなんだろう。
驚きや感動？読後の満足感？

僕の場合は、“どんでん返し“を体験したときの高揚感が堪らないと感じます。
文章のみで積み上げられた世界で、ある一点を境に音を立てて崩れ落ちる感覚、その崩れた世界から新たに見える景色。そんな“どんでん返し“を求め続け、ミステリー小説の虜になってきた僕が、完璧かつ大胆にひっくり返され、物語の奥底に入り込み、心に刻まれたのがまさに本作でした。

物語の主人公は、母親を失い父と二人だけの暮らしを始めることになる小学生。
母親の葬式から数日後、主人公のまわりでは更なる不幸が次々と襲い、この不可解な事件の謎を解こうと動き出す主人公の行動が、思いもよらぬ方向へと物語は進展させていきます。

深くは語りませんが、夜にぴったりな本作、ぜひ作者が仕掛けた“どんでん返し“をご体感ください。そして読了後「ああ、騙されてよかった」と思える、とっておきの読書体験を。

推薦文寄稿：BookTuber マサキ