【南】202111

ページ数：421ページ
教養度：★★★
読了しやすさ：★★

＜あらすじ＞
三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ッ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。
そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで……

胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。
読み終えたらあなたもいい人になってる率100%!

＜スタッフいちおしポイント＞
“寄席”
興味はある、でもなかなか行く機会が見つからない…
そんな方にぴったりな、落語と寄席のワンダーランド！落語入門編の物語をご紹介します。

主人公は、二つ目（一番格上である「真打」の一つ手前）の若手落語家。私服でも着物を愛するちゃきちゃきの江戸っ子で、古典を愛するあまり、師匠の型にハマりすぎて人気はイマイチです。

そんな彼が開くことになった落語教室が本作の舞台。教室にやってくる生徒たちは落語に興味がなく、自身の悩みやコンプレックスを好き勝手に主人公へぶつけます。

なぜ彼らは落語教室へ通うのか。
漠然とした疑問とともに読み進めた先で落語の本質が垣間見え、読了後はきっと、寄席に出かけたくなること間違いなしです。

「まんじゅうこわい」など落語の噺が盛りだくさんなので、落語に関する基礎知識を楽しく知れることはもちろん、個性豊かな登場人物たちが大変魅力的！
新しいチャレンジへのハードルをぐっと下げ、心強さや勇気をもらえるヒューマンドラマです。

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃