【北】202302

ページ数：304ページ
ジャンル：3章からなる連続中編小説
読了しやすさ：★★★

＜あらすじ＞
世界的な「食のガイドブック」の元「格付け人」が主人公。
会社を辞め、飲食店の格付け事務所を立ち上げたシングルマザーの彼女は、人気店の覆面調査官として、今日も味覚を研ぎ澄ませ、食べて食べて食べまくる。

＜スタッフおすすめポイント＞
星は星でも本作はレストランに評価の「星」をつける、潜入捜査官の物語です。

元々世界的な食のガイドブックの格付け人として働いていた主人公は、その舌を信じて退職し、その後独立。
まだまだ駆け出しの彼女の元には、高級フレンチからラーメン店、旅館まで様々な食の覆面調査の依頼が舞い込みます。

どんな名店にも裏がある──。
それぞれの事情を見抜き、主人公は真実に辿り着けるのか。

「食」という日々の繰り返しを、絶対的な味覚と調査能力を持つ主人公の視点から追いかける読書体験は、お腹が空くというよりもお仕事小説に近くとても新鮮。普段の生活では決して見ることのできない、飲食店独自のルールや用語満載なのも本作の魅力の一つです。

夜を軸に選書を進めた時、どうしてもロマンチックでしっとりとした作品が並びました。
そんな中で意表を突いた本作、こんな「星」があってもいいかなと思い選書入り！

続編があるのは楽しい証拠。
本作も続編がありますので、ハマった方はその先も楽しめます。

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃