ページ数:240ページジャンル:エッセイ集読了しやすさ:★★★★
弱いまま強くあるということ
たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること—。トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。
〈おすすめポイント〉人生において、つらいことはないほうがいいでしょうか。つらいことが起きてしまったときはなるべく早く忘れ、傷がなかったかのようにふるまうことがいいのでしょうか。そうではなく、傷をそっとなぞり、見つめ、ともにその後を生きていく、というのもひとつの生き方かもしれません。
本書は精神科の医師でありトラウマの研究者でもある著者が、ボストン、沖縄、ブエノスアイレス、バリ、金沢、と旅をしながら、『心の傷』について水の中にもぐるように、ゆっくりと考えを深めていく1冊です。
まるで詩のように美しい文章は読んでいるだけで心が落ち着き、物憂げなこの季節にぴったりです。
推薦文寄稿:蟹ブックス 書店主 花田菜々子
全国一律330円(税込)※送料は、複数ご購入いただいた場合でも1商品ごとに発生します。
現役書店員や出版社の方と、時間をかけてじっくり丁寧に選書。直感でお選びいただくことで、普段自分では手に取らないような本との出会いをお届けします。
2024年4月にオープンした市ヶ谷の実店舗「チャイと選書 Chapters bookstore」では、お客様一人ひとりのお気持ちに寄り添った選書もご提供しております。