【東】202112

ページ数：425ページ
ジャンル：長編小説
読了しやすさ：★★★

＜あらすじ＞
17歳の高校生、継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。

「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」

身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

＜スタッフおすすめポイント＞
家族に歴史あり。
育った環境は皆それぞれですが、この家族はかなり特殊。
産んだ親元を幼い頃に離れ、入れ替わり交換してく父と母の元で育った高校生の女の子が主人公です。

大人の事情で親が変わり、住む家が変わり、学校が変わり...
一見すると悲劇のヒロインを演じられる環境の中、主人公が素直で健康に、いい意味で平凡に育っていくんです。
何もかも自分を語るストーリーとして消化しがちな現代において、彼女のケロリとしたタフさ・困難をかわすしなやかさには、読者もきっとそれぞれに何か感じ取るものがあるはずです。
温かなストーリーもさることながら、その設定と境遇を是非堪能していただきたいです。

近頃は本屋でも必ず平積みで見かける大ヒット作です。
あらすじでピンと来た方も、来なかった方も。まだ読んでいない方はぜひこちらを。

たまには湯船にお湯を溜め、お風呂に浸かりながら、ゆったりした気持ちでページをめくっていただけると嬉しいです。

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃