ページ数:224ページ自由気まま度:★★★読了しやすさ:★★★★
<あらすじ>17歳の夏、初めて旅したイギリスで迷子。フィールドワークで訪れたオーストラリアではひつじの尻尾を食べた。そして、イランの遺跡を前に息を呑む母と私──。
旅は苦手なファンタジー作家が、20以上の異国の地で見聞きし、食べ、出会い、心動かされた出来事を表情豊かに綴る。
作者のあの名作たちを育む土壌となった、旅にまつわる名エッセイ。
<スタッフおすすめポイント>タイトル・著者を隠した選書サービスのため「あの作品の作者のエッセイです!」と言えないことが、これほどもどかしいとは…。
本作は、全50話にも及ぶ大作ファンタジーアニメ原作者の旅エッセイ。オーストラリア先住民の研究者としても名高い著者で、そこでのフィールドワークについても触れられているのですが、優しく美しい語り口とは裏腹にワイルドな経験談に溢れています。
山や砂漠の中にテントを張り、寝袋で寒さに震える7月。その中で見た、日没と共に変わる風景の色や満天の星空の美しさ。厳しい環境下であるにもかかわらず、遊びに行く感覚でキャンプを楽しむ現地人のタフさ。
これらの旅の経験が物語で描かれるあの素晴らしい世界観を創り出したのだと、読後しばらく興奮が止まりませんでした。
しかしながら、実は英語が苦手で“超”がつくほど方向音痴な著者。それでも、旺盛な好奇心に任せて旅をする作者の行動力には読んでいて元気が出ますし、人柄の滲み出る優しいワードチョイスに思わずメモをとりたくなる一節に出会えるかも。
誰が書いた本なのか、なんとなく勘付いた方はぜひ手に取っていただきたい!初めての方も、彼女の言葉に触れればきっと物語の世界も覗いてみたいと思えるはず。
推薦文寄稿:Chapters bookstore 書店主 森本萌乃
全国一律330円(税込)※送料は、複数ご購入いただいた場合でも1商品ごとに発生します。
現役書店員や出版社の方と、時間をかけてじっくり丁寧に選書。直感でお選びいただくことで、普段自分では手に取らないような本との出会いをお届けします。
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