ページ数:246ページジャンル:エッセイ読了しやすさ:★★★<あらすじ>ちんぷんかんぷん。でもこの国、最高!抱腹絶倒のロングセラー留学エッセイ森と湖の美しき国フィンランドに留学し、個性溢れる仲間と極寒の冬も混浴サウナもどうにか乗り切った、抱腹絶倒のロングセラー留学体験エッセイ!
<スタッフおすすめポイント>1970年代末、インターネットのない時代に一人フィンランドの首都・ヘルシンキへ留学した著者の体験談を記したエッセイです。
今でこそ人気の旅先・フィンランドですが、音楽と美術を入り口にフィンランドへ興味を持ち、当時の少ない情報量だけで単身留学を決めた著者は、おそらくかなりの冒険家でしょう。発売から30年弱が経過した本作ですが、ユーモアや細かい言い回し、全体の文章から漏れ出す知性は全く色褪せなることがありません。
"人間は大きく二つのグループに分けられ、北を目指す人、南を目指す人がいる。南は生を志向し、北は死を志向する。死と隣り合わせの北だからこそ、生の姿が鮮やかに浮き彫りにされる。"(本作より一部抜粋)
耳がちぎれるほどの極寒の地で、著者はどのように友達を作り、論文を完成させ、語学を習得していったのか。今月4作品の中で、一番頑張る旅は間違いなくこちら!留学を経験した方には、きっと共感することも強いかと思います。
個人的に注目したのは、文中のところどころに、引用される、杉田玄白「蘭学事始」の抜粋文。ブログやSNSなど、インスタントに体験共有する術のなかった時代のエッセイだからでしょうか、思いを馳せた先がそのまた昔の江戸時代の蘭学医というのがなんだか粋でおかしくて、本作の読了後思わず「蘭学事始」が積ん読リストに追加されてしまいました。
比較的新しい作品が並ぶチャプターズでは、少しビンテージな旅になりそうです。そういった意味では、ツウなフィンランド旅。ぜひスマホの電源はOFFでお出かけください。
推薦文:Chapters bookstore 書店主 森本萌乃
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