金の角持つ子供たち

ページ数：288ページ
ジャンル：長編小説
読みやすさ：★★

＜あらすじ＞
中学校受験を題材に、第一志望校に思いを寄せる小学生の奮闘を描いたヒューマンドラマ。

どうしようもなく欲しくて、届きたくて、思いを寄せてしまう対象は人だけではないと思うのです。

＜スタッフおすすめポイント＞
自分自身を取り巻く状況や年齢によって、寄り添う登場人物の目線が変わることが読書の面白さの一つでもあると思うのですが、こちら、完全に親目線で読み進めている自分に気がつきました。
「思いを寄せる」主人公としてももちろんですが、それを見守るという脇役的な立ち位置からも、満足感たっぷりに読み進められると感じます。

かつて一度でも、厳しい受験を経験したことのある方、人生で初めて目標を定め挑戦する小学6年生の主人公の姿に、重ね合わせる過去の自分や原体験があるかもしれません。一方で、周囲を取り巻く親や塾の先生などのサイドストーリーにも心も奪われるので、子の中学受験の合格発表を待つ疑似体験としても面白い読書体験となりそうです。

「初めてのおつかい」などのドキュメンタリー番組が好きな方はこちら一択！
中学受験を控えたそれぞれの家庭の経済事情などにもリアルに触れていて、社会派な一面もポイントです。

推薦文寄稿：Chapters bookstore 書店主 森本萌乃