三軒茶屋星座館①冬のオリオン

三軒茶屋星座館①冬のオリオン

以下、チャプターズでご紹介時の推薦文です。

ページ:290ページ
ジャンル:連続短編小説
読みやすさ:★

<あらすじ>
この星座館には、家族の夢が詰まっていた。

三軒茶屋の裏路地にひっそりと佇むプラネタリウム(兼バー)。酔客たちに星座の講釈を聞かせる店主のもとに、10年ぶりに弟が帰ってきた、娘を連れて。
不思議な客たちが集まる店で、”親子3人”の奇妙な共同生活が始まるが……。

辛いことがあったら夜空を見上げればいい。
僕たちよりもずっと昔から悩んできた、星たちの物語が広がっているから──。

読めば心温まる、人生讃歌エンターテインメント!

<おすすめポイント>
満点の星空、ロマンチックな空想を。

夜空の下で星座の話に酔いしれるなんて、恥ずかしいくらいにロマンチックだなと思います。現実ではなかなかお目にかかれないシチュエーションに出会えるのがフィクションの醍醐味であるとした時、この物語は胸高鳴る一人の夜遊びにぴったりです。

都内の雑居ビルの7階にある、プラネタリウムを併設したとあるバー。ちょっと曲者の店主が、訪れた客のお悩みをギリシア神話にたとえて解決していきます。全5章、連続ドラマのように連なるストーリーは気軽に楽しめて、毎晩一章ずつ読むのもおすすめ。読み進めると星座の雑学も身についていくので、もしかしたらいつか本当に使える場面がくるかも...

夜空に輝く満点の星空は、かすみ草とのコラージュで表現。みんなの背中をそっと押してくれるバーの存在を、ふいに差し出される花束の存在に重ね合わせ、「餞(はなむけ)」の一言を添えました。
物語には実在する場所や店も数多く登場します。こんなバー、行ってみたい!

推薦文寄稿:Chapters bookstore 書店主 森本萌乃